心の鍼灸

心の鍼灸

現在鍼灸医学は全米で急速に広がる医療と言われています。カリフォルニア州バークレーの鍼灸大学の付属クリニックでは年間1万人の訪れています。 腰膝等痛みに関する症状が大半を占めますが、日本と異なる点はストレスによる身体の不調を訴えて来る患者さんが、 痛みの患者さんに匹敵するほど多い点です。

鍼灸が心の病にも良く効く事の現れと考えます。日本では心の病は心療科で薬物療法とカウンセリング主体ですが、 心の病先進国の欧米では、急速に鍼灸がその治療の担い手と成っているのです。当院では自律神経と心に効く治療を追求し現在に至っています。 特に、光FB治療を取り入れ成果を上げ、2010年よりドイツ欧州大学の東洋医学の講義にも正式に採用されています。

鍼灸と精神安定剤とうつ病について

当院の治療では、うつの症状に対し、鍼で交感神経の高ぶりを抑え、灸で副交感神経を高めるいわばブレーキとアクセルを上手く使う治療をしています。メインにROP(レゾナンスovertoneピロー)東邦医大心療内科と中央大学生体工学研究室で開発中の枕と、光フィードバック制御のゴーグル使用し、効果を上げています。うつの治療に百会穴も効果的です。治験例多数あり。これらは安全な治療で副作用は見られません。

大逆転のうつ病治療の著者で精神科医の菊池一也医師は、クリニックを受診する殆どが(薬剤惹起性うつ病)と断言しています。10年うつ病に悩まされた患者さんが精神安定剤の一つワイパックスを止めたところ一月後にはすっかり元気になったことを紹介しています。うつ病は自律神経と関わり深く、未治療のうつは副交感神経が緊張している、(無気力、だるさ。早朝覚醒、頭重など)一方で精神安定剤は副交感神経をより緊張させるので、飲めばよりうつは悪化します。元気のない人に元気が無くなる薬を処方しているので、余計回復が妨げられます。

しかし大多数の精神科医は抗うつ剤が交感神経を刺激し(元気でる処方)精神安定剤が副交感神経を刺激する(元気をなくす処方)薬とは知らない。通常うつ病の治療では両方を併用する事が多い。現在の日本の抗うつ剤の使用量は臨床医菊池医師の経験では、パキシル、ルボックス等も6分の1~3分の1で十分という。精神安定剤には、ペンゾジアベピン系薬剤が含まれ、これは1-3週で効果が無くなる、しかし数か月処方例が後を絶たないです。それによりうつの人が抗不安薬ペンゾジアベピンを続けると益々うつが悪化するケースもあります。

診療例

40代女性 既往歴8年

心療内科でうつと診断され発病から抗うつ剤処方されているが、改善が見られず当院受診。職業はSE 2年前からのぼせが強くなり、足腰等が冷えるようになる。気分が落ち込み仕事が手につかない。病院を変えてみたが自律神経失調と言われ精神安定剤を処方されるも、好転見られない。中肉中背、赤ら顔、体力は中程度。当院の治療は百会と、神門穴に1番鍼使用。脳波の検査ではθ波60パーセント占めていた。光フィードバック治療を併用し、3か月後にはθ波40パーセントに減少し、うつ症状も改善し、仕事に復帰できた。

50代男性 既往歴3年

会社員、5年前から心臓の不調が現れる、循環器で診てもらうが原因不明。気のせいと言われる。3年前に心療内科でうつと診断される。手足が異常に冷える、食欲が低下し。味が分からなくなる。脈が速くなり90位になる。不眠や倦怠感に多々襲われる。当院の治療は友人の勧めによる。頻脈を抑える大衝穴に1番鍼使用、脳波のβ波70パーセント占めていた。光治療と鍼でイライラ、緊張の自覚消失。4週間後に不眠が改善され3か月後に食欲も改善され。うつも軽快し仕事に戻れた。